ダンエレ道

ダンエレクトロ(以下、ダンエレ)というギターがある。3PUのダンエレのみ手元にあり、気に入ってよく弾いている。ダンエレの研究をし、紹介をしている「だのじゃん」というブログがずいぶん参考になったが、そのブログを書いた方がライブを何度か観に来てくれて、とても嬉しかった記憶がある。最近めっきりアコギの出番が多かったのだが、久々のバンド練習でダンエレを弾いてみた。チープな音だが「これにしか出せない音」がある。真空管アンプで歪ませると「ダンエレやっぱいいなあ」と思うサウンドがあり、その時に気がついたことがある。ギターアンプはアンプだけじゃなく、空間が大切だなと。これまでいろいろな場所で演奏したが、たとえば部屋は小型のギターアンプがすごくよくて、でかいアンプは爆音で「ここじゃ無理」となる。部屋で聴くのにちょうどいい音量と音圧だからである。逆に大きな会場に小型のギターアンプを持っていくと音量をフルにすると音が完全に割れる。ゆえにギターアンプで気持ちよくライブハウスでやるぞぐらいの音量でリハーサルするバンドがほとんどなのだろう。ダンエレクトロを弾いてすごく思ったのは、小型のギターアンプであれ大型のギターアンプであれ、空間にどんな音を放つかになる。野外では音が届く距離。より遠くまで聴かせるようにと考えればPAとかでかいスピーカーが必要になるし、ギターアンプからの音だけであるのなら・・大昔の原宿のホコ天のように、好きなバンドのそばまで行って聞くというのが自然なのだろう。弾き語りもそうかもしれない。生音生声が音が小さいのかと言えば、近くまで行けば聞こえるし、遠く離れれば聞こえない、それだけのことだ。そんなことを考えながら弾いたダンエレクトロ。真空管ギターアンプからイギリスのロックのようなギターサウンドが鳴る。楽器と声でハモりたくなる。「空間とともにギターの音が成立する」とのことがよくわかった。リハーサルで最高の演奏が出来ても、ライブ会場、野外の会場に向かえば当然、音の聴こえ方がガラリと変わるのは当然のことなのだ。ダンエレは吠えた。その見た目から想像できないロックやブルースにどハマりの音がした。これは秘密兵器として弾き続けていきたい、そう思える素晴らしいギターだなと改めて思った。