楽しいこと

ギターで伴奏をする機会があった。あらためて演奏というものを考える場となった。その日は大人数に生ギター1本での伴奏だった。チューニングを合わせ、チューニングが保持できるようなら、あとは腕次第だろうとリハーサルをして演奏。伴奏自体はよい時間を過ごせたが、環境ノイズがかなり聴こえる環境だった。気にせず楽しむことのみを優先し演奏するのが求められる場だったが、盛り上がることのみで終わりはどこかさびしい。静かなところで演奏を聴きたいとか静かなところで演奏したいとか、心はいまその方向にあることにも気がつけた。音楽にはいろいろ表現がある。うるさくにぎやかなものもある。だが今は、静かに自然を眺め歩いたり、遠くから聴こえる川のせせらぎや星の静かな夜に、心が魅かれる。にぎやかな一瞬にあっても、大自然の大らかな静けさを求めてやまない心がある。ギターの弦をゆるめながら、そう思った。