憧れのフェルナンデス

フェルナンデスのBASSを弾いている。懐古からなのかわからないが、高校生の頃はフェルナンデスが買えなくてHOLLYという通販メーカーのベースを弾いていた。中古で3,000円ぐらいで買った。弦高が高すぎてBASSを弾くのに軍手が必須な感じだった。軍手姿は演奏するというより、いやいや朝に鶏の卵の収穫にいく高校生という感じだったと思うが、草刈りをするように軍手でBASSを弾いていた。楽器はBASSのほうがギターより先だった。理由は、ギターより弦が少ないし簡単そうとの理由のみだった。ベース、ギター、ドラムの3ピースで高校の文化祭に出た。その当時の司会はあおるように僕らを紹介した。僕らも「いくぜ!」と掛け声だけ元気よく、昔からそうなのだが、唄うと強気で、話すと気が小さくなる。文化祭は広い体育館で「ラッケンラール!」と吠えてすぐMCで「すみません」と謝るアンバランスさがあり、いま思えば緊張だが、振冷静にこう思う。「BASSを弾きながら歌うミュージシャン」は世の中たくさんいるが、楽器をコントロールできるならいいのだが、ほとんど弾けないのにBASSをもって「歌う」という行為は音が「単音」だけに相当の勇気がいることだろう、と思う。青春が成しえることではあった。僕の憧れだった「フェルナンデス」は、いまメインBASSに君臨している。もちろん軍手はもう不要である。日本のバンドブームを支えてくれた「フェルナンデス」に心から感謝の意を表したい。