ライブを見に行く前に、なぜかにんにくを食べた。もちろん、科学的根拠なんて一切ないが、ライブ会場という密閉空間では、マスクだけでは不安だったので「免疫力を爆上げすればコロナも怖くないだろう!」という自分だけの謎理論のもと、すき家でフライドにんにくを10個ほど一気食いしたのだ。にんにく臭が漂う中、仙台ジャズフェスの野外の会場に行き、出演する友人のバンドを見たり、久々に数年ぶりで道端ですれ違う人たちと「元気?」「元気だ!」なんて挨拶を交わし、お目当てのライブへ向かったのだった。そのライブは「忘れらんねえよ」と「Theラブ人間」というバンドのライブ。YouTubeでめちゃくちゃ好きな曲があったので、これは行くしかないと心を決めて初参加。会場に着くと、2バンドとも想像以上のパフォーマンス!いいPVだなあ!と内心で思っていた曲を生で目の前で聴くと、PVより何千倍もすげえなあ!と、大満足の時間を過ごした。
ライブの途中、とあることが起こった。「Theラブ人間」のギターボーカルの方が、突如ギターのピックを客席に向かって投げた!僕は初めて見るし、前にいた本当に昔からのファンのような方が取り損ね、足元のほうに落ちたのだが、なぜか僕の周りが、まるで「ピックを拾えるよ」との気遣いからなのか、アニメの主人公が「バリア!」と吠えたかのように周囲の人がスーッと離れていく。なんて周りは優しいんだ!おかげで余裕でピックを拾える!と拾った後、すかさずジェントルマンな気持ちで、拾い損ねた自分の前にいる昔からのファンらしき人にそっと手渡すと、その方は感動で口を手で覆い、何度も何度も涙目でピックを受け取り、無言のお辞儀をしてくれるのだった。
ライブ後、ジャズフェスに出ていたバンドの友人から「ラリー船長の強いオーラを感じながら演奏しました!」との、あたたかい御礼のメッセージが届いた。しかし、その言葉で「ん?オーラ?」となるのだった。一日を振り返ると「オーラじゃなくて、これは、にんにく臭だったのではないか…?」と。そして、あの満員の会場で、なぜ、ピックをスムーズに拾えたのか、臭いで空間が開いた・・・?という疑惑も湧き上がってくるのである。さらに、「あの昔からのファンの方が口に手を当て感動したのは、もしや口でなく鼻を押さえるためだったか?かつ涙目だった」という、「まさか・・」のエビデンスが積み重なる。だが、そんな細かいことはもう気にしなくていいのだ。何より最高のライブを見れたのだから、すべてよし!と思うようにした。深夜にもう一度PVを聴きなおすと、心に深く刻まれるなあ!と思えるのだった。元気をくれたライブ。そして、にんにくからもらったパワーを大事にしていこうと思うのだった。
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