銀色夏生の詩集が届く前に、詩を書き始めたころのことを振り返る。最初は歌詞を真似して書いていたが、やがて思うことを型にとらわれず散文のような詩になり、思ったことをたくさん書くようになった。俺はこれを伝えたいとか、社会にこう訴えたいというようなベクトルではなかった。ふっと頭に浮かんだ言葉を書くような感じだったので、文法的にどうなのか?というような主語のない文だったりしていたので、読む人から「わかんない」と言われるのも多かったが「なんかこれぐっとくるな」と言われたり、なんてことが励みになった。もっと表現の幅を広げたくて、何冊も詩集を出版している詩人の教室にも行ったことがあるが、その詩人をみんなが絶賛するばかりで、ここに通っていたらその詩人の型にはめられてしまうなあと思ったので通うのをやめたこともあった。詩を書いて詩を読んでもらう時、なんとなく紙にだけでなく声にしたくなり、メロディをつけるようになった。それがオリジナルの始まりだったかもしれない。